マメ科アコウマイハギ連アコウマイハギ群の分子系統学的解析3. <i>Desmodium velutinum</i> の系統分類学上の位置
書誌事項
- タイトル別名
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- Phylogenetic Analyses for a New Classification of the <i>Desmodium</i> Group of <i>Leguminosae</i> Tribe <i>Desmodieae</i> 3. The Systematic Position of <i>Desmodium velutinum</i>
抄録
<p>Desmodium velutinum (Willd.) DC.(マメ科)はアコウマイハギ属Desmodiumに属し,アフリカ,マダガスカル,スリランカ,インドからヒマラヤ東部,東南アジア(南はニューギニアまで),中国,台湾に分布し,オーストラリアと熱帯アメリカ(稀)に帰化している.台湾産の本種はオオバハギと呼ばれ,学名には異名であるD. lasiocarpum (P. Beauv.) DC.が用いられていた(正宗厳敬1936,最新台湾植物総目録,KUDOA編集部,台北).D. velutinumは1–3 mの低木で単葉(小葉が1個)をつけ,総状花序または円錐花序に短柄(長さ2 mm以下)で小型の赤紫色の蝶形花(長さ約5 mm以下)を密生し,節果は狭長楕円形,長さ1.5–2.5 cm,幅2.2–3.5 mm, 全面有毛,5–7小節果からなり,背軸側の切れ込みは1/2–2/3である.苞の長さと節果の毛に差異があり,2種内分類群が区別されている.本種は形態,花粉形態,節果の解剖学的特徴からタマツナギD. gangeticum (L.) DC.に近いとされていた.一方,最近の分子系統学的解析によってアコウマイハギ属は多系統であることが証明され,タマツナギは既にアコウマイハギ属とは別属のタマツナギ属Pleurolobus J. St.-Hil.に分類されている (Ohashi et al. 2018b).しかし,D. velutinumの系統的位置はまだ定められていないため,その分子系統学的な解析を行い,その結果をこれまでに作成されていたアコウマイハギ群の系統樹に加えて,拡張した系統樹を作成した (Figs. 5, 6).その結果,D. velutinumはアコウマイハギ属やタマツナギ属などから独立した系統群であることが示された.この結果に基づいて1種からなる独立属Polhillides を設立した.属名はKewでマメ科の分類研究を続け,Advances in Legume Systematicsシリーズを創設して世界のマメ科研究の進歩に貢献した Roger M. Polhill博士に献名した.</p>
収録刊行物
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- 植物研究雑誌
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植物研究雑誌 94 (2), 65-77, 2019-04-20
植物研究雑誌編集委員会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390575296421629696
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- ISSN
- 24366730
- 00222062
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可