小笠原諸島に固有のトベラ属(トベラ科)4 種における分子系統解析

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タイトル別名
  • Molecular Phylogeny of Insular Endemics of <i>Pittosporum</i> (<i>Pittosporaceae</i>) on the Ogasawara Islands

抄録

<p>小笠原諸島は多くの固有種が生育する海洋島であり,シロトベラPittosporum boninense Koidz.,ハハジマトベラP. beecheyi Tuyama,オオミトベラP. chichijimenseNakai ex Tuyama,コバトベラP. parvifolium Hayata の4種のトベラ科トベラ属固有種が生育する.これら4種は小笠原諸島内において共通祖先から急速な種分化を経たと考えられてきたが,その系統関係は不明であった.本研究では,小笠原産固有4種と日本産2種,ITS 領域の塩基配列情報が入手可能な外国産の種を含めた計56種のトベラ属植物を対象にして系統解析を行った.その結果,小笠原産固有4種は単系統群であることが高い支持率で確認され,姉妹群にはトベラP. tobira (Thunb.) W.T. Aiton,コヤスノキP. illicioides Makino,P. glabratumLindl. が該当した.また,固有4種間のITS 領域における多様度は低く,4種が東アジアからの単一祖先種に由来し,諸島内で最近,急速に種分化したことが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 95 (5), 273-284, 2020-10-20

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575340759036672
  • DOI
    10.51033/jjapbot.95_5_11036
  • ISSN
    24366730
    00222062
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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