日本国内に植栽されるヒマラヤスギ属植物(マツ科)のDNA 同定

書誌事項

タイトル別名
  • DNA-based Identification of <i>Cedrus</i> (<i>Pinaceae</i>) Planted in Japan
  • DNA-based Identification of Cedrus (Pinaceae) Planted in Japan

この論文をさがす

抄録

<p>マツ科ヒマラヤスギ属Cedrus Trew は世界的に重要な庭園樹であり,日本では明治初期に導入されて以降,長針葉をもつヒマラヤスギC. deodara (Roxb. ex D.Don)G.Donが幅広く植栽されてきた.国内では短針葉をもつアトラスシーダーC. atlantica (Endl.) G.Manetti ex CarrièreやレバノンシーダーC. libani A.Rich はあまり植栽されていないが,国内植栽地ではしばしば同定が混乱している.本研究では,国内に植栽される短針葉をもつ樹について,DNA 同定を試みた.本属では人工林における雑種形成が知られているため,父性遺伝する葉緑体DNAと母性遺伝するミトコンドリアDNA を利用した.その結果,ヒマラヤスギ,アトラスシーダーおよびレバノンシーダーとしてDNA 同定できた樹の他に,雑種の存在が明らかになった.雑種には,アトラスシーダーとレバノンシーダーの両方向の交雑に由来する樹の他に,ヒマラヤスギ(♀)とレバノンシーダー(♂)の雑種(アイノコシーダーC. ×intermedia Sénécl)が区別できた.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 96 (4), 213-223, 2021-08-20

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ