免疫チェックポイント阻害薬の現状:食道領域

  • 池田 剛
    国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科
  • 山本 駿
    国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科
  • 加藤 健
    国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科

書誌事項

タイトル別名
  • Immune Checkpoint Inhibitors for Esophageal Cancer

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説明

<p>近年,食道癌ではさまざまな病期を対象に,免疫チェックポイント阻害薬を含んだ治療開発が行われている。2019年に切除不能進行・再発食道癌に対する2次治療として,ニボルマブとペムブロリズマブの有用性が報告された(ATTRACTION-3試験,KEYNOTE-181試験)ことを皮切りに,2020年には1次治療として,2剤併用化学療法にペムブロリズマブを上乗せした治療の有効性が証明された(KEYNOTE-590試験)。また,2021年には,1次治療としての2剤併用化学療法へのニボルマブの上乗せ,さらにはニボルマブとイピリムマブ併用療法の有効性が証明された(CheckMate 648試験)。また,食道扁平上皮癌の発生頻度の高い中国においても,同様に新規の免疫チェックポイント阻害薬を用いた,複数の臨床試験が実施され,1次治療として免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用療法の有効性が証明された(ESCORT-1st試験,JUPITER-6試験,ORIENT-15試験)。現在,切除不能進行・再発食道扁平上皮癌に対しては,免疫チェックポイント阻害薬と化学療法に,さらに分子標的薬を併用する治療法の開発が進められている(LEAP-014試験,SKYSCRAPER-08試験)。周術期治療においては,術前化学放射線療法と手術を行い,病理学的完全奏効が得られなかった食道癌に対する,術後ニボルマブ療法の有効性が証明された(CheckMate 577試験)。また術後療法ではなく術前療法として,免疫チェックポイント阻害薬を含んだ治療法の開発も進められており(FRONTiER試験),食道癌治療における免疫チェックポイント阻害薬の重要性が増している。</p>

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参考文献 (18)*注記

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