携帯型精密輸液ポンプを用いたブリナツモマブの在宅投与

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  • Blinatumomab administration in outpatient setting using an ambulatory infusion pump

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抄録

<p>ブリナツモマブは再発・難治B細胞性急性リンパ性白血病に対する二重特異性T細胞誘導抗体製剤であり,高い治療効果と共に,従来の殺細胞性抗がん薬と比較して血液毒性等の重篤な有害事象の発現頻度が低く,高いquality of life(QOL)を維持しながら治療が可能である.一方で,消失半減期が短く,1サイクルあたり28日間の持続点滴投与が必要であり,本邦では入院治療が原則となっている.我々は,さらなる患者QOLの向上を目指して,携帯型精密輸液ポンプを用いたブリナツモマブの在宅投与に取り組み,2名の患者において問題なく実施し得た.ブリナツモマブの調製は,週に2回,同じ曜日に3日分と4日分の薬液をそれぞれまとめて調製し,交互に交換する方法で行った.薬液を充填するメディケーションカセットや輸液ライン,フィルター等の物品が必要であるが,ブリナツモマブに非推奨の材質を避ける必要がある.また,導入当初にフィルター部位からの液漏れを経験したが,別の製品に変更することにより,以降は液漏れすることなく投与可能であった.入浴時は,輸液ポンプを防水バッグに入れてフィルターを防水フィルムで覆い,濡れないようにする対策により,薬液の中断なく入浴が可能であった.当院の経験から,携帯型精密輸液ポンプを用いたブリナツモマブの在宅投与は安全に施行可能であると考えられ,治療中のさらなるQOL向上に有用であると期待される.</p>

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