ロボット支援下胃切除術後に出血を契機に診断された後天性血友病の1例

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  • A Case Report of Acquired Hemophilia after Robot-Assisted Laparoscopic Gastrectomy for Gastric Cancer

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抄録

<p>ロボット支援下胃切除術後の周術期に,腹腔内出血・消化管出血を契機に診断された後天性血友病Aの1例を経験したので報告する.症例は79歳の男性で,胃癌に対してロボット支援下幽門側胃切除術を施行された.手術時間は6時間8分,術中出血量は10 mlであった.術後に貧血を認め,術後2日目にCT,上部消化管内視鏡検査を行い,胃内に血腫を認めた.活動性出血はなく輸血を行うも創部,腹腔内,消化管内の微小出血による貧血が遷延し,血液検査にてAPTT 63.9秒と凝固異常を認めた.精査の結果,第VIII因子6%,第VIII凝固因子インヒビター27 BU/mlであり後天性血友病の診断に至った.第VII第X凝固因子製剤によるバイパス療法とステロイド投与による治療を開始し,治療開始後約2週間で凝固障害の改善傾向を認め,術後23日に軽快退院となった.担癌患者に原因不明の凝固異常を呈した場合,本疾患も鑑別として想起すべきと考えられた.</p>

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