西田幾多郎とトランスパーソナル心理学

書誌事項

タイトル別名
  • Kitarō Nishida and Transpersonal Psychology
  • On His Treatise“The Intelligible World”
  • 論文「叡智的世界」をめぐって

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説明

本考察は、西田幾多郎の論文「叡知的世界」(『一般者の自覚的体系』所収)をとりあげ、そこに見られる、トランスパーソナル心理学にも通じる理論体系を明らかにするものである。まず、西田の思想の基本的立場を、意識哲学、述語的論理、意識のノエシス・ノエマ、絶対無の場所といった観点からとらえ、ついで「叡知 的世界」に見られる思想体系を詳しく考察している。すなわち、判断的一般者とそれに限定される自然界(判断における対象的知識の成立)、自覚的一般者とそれに限定される意識界(意識的自己の構造)、知的直観の一般者とそれに限定される叡知的世界(叡知的自己 とイデア)、さらに絶対無の場所と宗教的意識(主客の二元対立を超えた根源的意識)について論じている。 さらに、西田の思想の特徴を明らかにするために、ティヤール・ド・シャルダン、シュリー・オーロビン ド、ケン・ウィルバー、ラマナ・マハルシの考えを西田の理論と対比させている。最後に本考察は、意識における主語的ノエマ面への自己限定と述語的ノエシス面への自己超越という双方向的な力動をとらえている点に西田の理論の意義があることを指摘し、西田のい う「自覚」のなかで完全なる生が立ちあらわれるということにふれ、この点において井筒俊彦の思想との類似性があることを述べている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575373776969344
  • DOI
    10.32218/transpersonal.18.1_28
  • ISSN
    2434463X
    13454501
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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