携帯型エコーによる健常成人男性の下大静脈径にヘッドアップが及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of head-of-bed elevation on the measurement of inferior vena cava size using a pocket-sized ultrasound device in healthy male volunteers

この論文をさがす

説明

超音波検査では仰臥位で下大静脈(IVC)を観察するが,訪問看護ではヘッドアップして観察する必要もある.本研究では,体位の影響を受けるIVC を適切に計測,評価するため,健常成人男性10名のIVC に対し,ヘッドアップ後のIVC 径の変化が,①いつ起こり,②ヘッドアップの角度で相違するかを明らかにした.仰臥位からヘッドアップ後10分まで1分ごとに携帯型エコーで計測した最大IVC 径は,ヘッドアップ後1分で急大し,その後は比較的安定することが分かった.つぎに仰臥位,ヘッドアップ角度30°,45°,60°,75°でIVC 径を計測し,ヘッドアップ75°と仰臥位では,ヘッドアップ75°の最大IVC 径と最小IVC 径が拡大した.ヘッドアップ75°と30°ではヘッドアップ75°の最大IVC 径が拡大した.呼吸性変動率は仰臥位以外50%未満だった.ヘッドアップでIVC を観察する場合,ヘッドアップ後1分以上で観察し,IVC が拡大している場合は,疾患の増悪等だけでなくヘッドアップによる影響を受けている可能性がある.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→右房圧のマーカーである下大静脈径は仰臥位でエコー計測するが,訪問看護ではヘッドアップして計測する必要もある.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 下大静脈径は血圧値のように体位の影響を受ける.ヘッドアップによる影響は,訪問看護や外来で患者がヘッドアップしていた場合のエコー計測のアセスメントに貢献しうる.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→本研究の計測手法を用いて,坐位による影響や臨床の患者での評価研究を行う.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ