急性膵炎の診断と重症度判定

  • 廣田 衛久
    東北医科薬科大学内科学第二(消化器内科)

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis and severity assessment of patients with acute pancreatitis

説明

<p>急性膵炎は,上腹部痛,血中または尿中膵酵素の上昇,急性膵炎に伴う異常画像所見のうち,2つ以上が当てはまると診断される.尿中トリプシノーゲン2の簡易検査キットは,テステープを尿に浸すだけで短時間に結果を得ることが可能であり,採血などで膵酵素値を測定できない施設で代用となりうる.胆石性膵炎では緊急に内視鏡的処置を行う適応を判断する必要があるため,成因診断では胆石性の鑑別が特に重要である.重症度判定は入院時から継時的に複数回行う.『厚生労働省急性膵炎重症度判定基準2008』は,予後因子スコア(3点以上で重症)と造影CT Grade(Grade 2以上で重症)からなり,どちらを用いて判定しても良い.しかし,そのどちらを用いた場合でも入院時には真の重症者が軽症と判定される可能性がある.繰り返し判定を行うことが重要である.入院時の血中IL-6測定は,重症化予測に有用である.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 37 (5), 215-221, 2022-10-31

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (14)*注記

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