「生命・医療倫理学」の授業設計 ―質問づくりとPBL/ポスターツアーからの倫理的課題の発見 と倫理的センスの醸成―

書誌事項

タイトル別名
  • Classroom Design for "Bio-Medical Ethics” ―Fostering Ethical Sense by the Question Formulation Technique and the PBL/Poster Tour―

抄録

医療保健学部の初年次必修科目である「生命・医療倫理学」では、医療職を志す学生の「事象から倫理的課題を見出す力」、「倫理的センスを高める力」、「対話を通して探究する力」そして「倫理的ジレンマに耐えて考え続ける力」の醸成を目指している。「質問づくり」および「PBL(Problem-Based Learning)とポスターツアー」という活動が、学生にこれらの能力の獲得を促したかどうかを、ルーブリックに基づくレポート評価およびレポートの記述内容分析により評価した。その結果、90%以上の学生が生命倫理、医療倫理に関する問題/課題を絞り込み、「生命医療倫理を学び、考える必要性」について論述することができていた。学生は、「質問づくり」を通して提示された事例の中に倫理的課題を発見し、PBL を通して倫理的ジレンマの中に身を置いて他者と対話し、多様な価値観に耳を傾けることの価値に気付いていた。ポスターツアーは、倫理的課題や倫理的ジレンマについて考えたことや話し合ったことを、一人ひとりが自分なりの言葉で述べるという態度形成に役立ったと考えられる。以上より、これら一連の活動は、倫理的課題の発見と倫理的センスの醸成につながったと考えられる。

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