炭酸化学理論に基づく汽水域における水中CO<sub>2</sub>分圧の推定精度

  • 中村 航
    東京大学大学院 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻
  • 遠藤 雅実
    東京大学 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻
  • 佐々木 淳
    東京大学 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻
  • 遠藤 徹
    大阪公立大学大学院 工学研究科都市系専攻
  • 趙 悦
    東京大学大学院 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻
  • 上村 健太
    大阪市立大学大学院 工学研究科都市系専攻
  • 小倉 一輝
    大阪公立大学大学院 工学研究科都市系専攻

書誌事項

タイトル別名
  • ESTIMATED PRECISION OF pCO<sub>2</sub> BASED ON CARBONATE CHEMISTRY IN BRACKISH WATERS

抄録

<p> 本研究では大気・水中間のCO2交換の支配要因となる水中CO2分圧(pCO2)の計算真度について,東京湾,大阪湾,石垣島吹通川河口で取得した試料を基に検討した.pCO2の計算に必要な酸解離定数のモデル式は塩分が19.6以上の場合,Schockman et al.(2021)を用いると最も計算精度が高くなった.現場型pH計や,塩分に基づく全アルカリ度(TA)推定値から計算したpCO2は190µatm以上の差が確認された.大気とのCO2交換で特に重要な,pCO2が800µatm以下の範囲でのpCO2の計算真度は,塩分に基づくTA推定値を用いた場合,最低でも34µatmの差が発生した.さらに,測定精度が0.1を超える現場型pH計を用いた場合,73 – 210µatmと大きな差が含まれていた.pHと塩分に基づくTAから計算したpCO2には両者の観測誤差が伝搬するため,大気pCO2が400µatm前後であることを念頭に,値の妥当性について十分に吟味する必要がある.</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (9)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ