三河湾における貧酸素水塊とトリガイ資源の動態

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タイトル別名
  • Fluctuation of the cockle, <i>Fulvia mutica</i>, stock related to the characteristics of hypoxia in Mikawa Bay, Japan

抄録

<p>トリガイは漁獲量変動が大きいが,年級群豊度の変動要因は不明である.本研究はその資源変動の要因を解明するために,三河湾で2006–2018年のデータに基づき,親貝量と加入量(翌年漁獲量),幼生密度および夏季最大貧酸素水塊面積の関係を解析した.また,2017卓越年級群を含む2016–2018年級群については,幼生,稚貝および競合種・捕食者の分布と貧酸素水塊の消長との関係を調べた.その結果,親貝量が多いと幼生密度と加入量が低下した.また,夏季の最大貧酸素水塊面積が広いほど親貝量あたりの幼生密度が高かったが,幼生密度あたりの加入量は低下した.卓越年級群となった2017年級群は幼生密度が高く,貧酸素水塊面積は広かったが,貧酸素水塊が早期に解消した地点ほど底生生物群集中に占める稚貝の割合が高かった.以上から,稚貝密度は幼生密度と貧酸素水塊の消長に依存し,貧酸素解消後の空白ニッチの存在が重要な要素の一つと推定された.</p>

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 86 (3), 97-109, 2022-08-25

    一般社団法人 水産海洋学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575429133091840
  • DOI
    10.34423/jsfo.86.3_97
  • ISSN
    24352888
    09161562
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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