固ゆで卵黄の食物経口負荷試験の臨床的特徴と安全性に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL MANIFESTATIONS AND SAFETY OF AN ORAL FOOD CHALLENGE USING BOILED EGG YOLK
  • コユ デ ランオウ ノ ショクモツ ケイコウ フカ シケン ノ リンショウテキ トクチョウ ト アンゼンセイ ニ カンスル ケントウ

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抄録

<p>【背景・目的】鶏卵アレルギーにおいて加熱卵黄のアレルゲン性は低いことが知られるが,固ゆで卵黄の食物経口負荷試験(OFC)が安全であるかどうかの報告は少ない.本研究では,固ゆで卵黄OFCの安全性と陽性者の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.</p><p>【方法】2013年1月から2020年12月までの期間に宮城県立こども病院で固ゆで卵黄1個のOFCを実施した患者のうち,鶏卵による即時型症状歴を有する患者,もしくは,卵黄,卵白特異的IgE抗体価陽性の患者を対象とし,後方視的に検討した.</p><p>【結果】600名の患者のうちOFC陽性者は15.0%で,アドレナリン筋肉注射を必要とした患者は1名のみであった.OFC陽性者のうち70.0%で消化器症状を認めた.</p><p>【結語】固ゆで卵黄OFCでは,症状誘発のリスクは少ないが,症状誘発時には臓器別症状として消化器症状が多い可能性がある.重篤な症状誘発のリスクは低く,OFCを安全に施行できる可能性が高い.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 71 (9), 1129-1135, 2022

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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