放射線療法を受ける頭頸部がん患者の口腔粘膜炎重症化予防のための自己管理プロセス

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  • The Self-Management Process for Prevention of Severe Oral Mucositis of Head and Neck Cancer Patients Undergoing Radiotherapy

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抄録

<p>本研究の目的は,放射線療法を受ける頭頸部がん患者が口腔粘膜炎の重症化予防のために自己管理していくプロセスを明らかにし,患者の自己管理を促進するための看護実践への示唆を得ることである.</p><p>放射線療法を受ける頭頸部がん患者10名を対象に記録調査および半構造化面接によりデータを収集し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.</p><p>分析の結果,放射線療法を受ける頭頸部がん患者が口腔粘膜炎の重症化予防のために自己管理していくプロセスは,【変化する口腔内環境との対峙】【感覚を拠り所とした口腔粘膜を護る試み】【放射線療法にともなう変化に対応し続ける力の保持】の3つのカテゴリーで説明された.</p><p>患者は,口腔内の状態の変化やその程度を把握しながら,体感している症状と得た知識や医療者との判断とをすり合わせることで,変化する口腔内環境と対峙することが示された.そして,患者は医療者から勧められた方法やこれまで自身が行ってきた方法を試しながら,口腔粘膜炎や不快な感覚を凌ぐための対処方略を見出すことが示唆された.患者が放射線療法にともなう変化に対応するには,同病者や医療者・家族とのつながり,治療できる現状を肯定的にとらえることであると考えられた.</p><p>以上より,看護師は,症状が出現する時期を見計らい,患者が体感している感覚や症状について語る機会を意図的に設け,口腔粘膜を護る試みとそれを支える力を保持できるよう支援する必要がある.</p>

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