好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に合併したガス壊疽

書誌事項

タイトル別名
  • Gas Gangrene Associated with Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis (EGPA)
  • コウサンキュウセイ タハツ ケッカンエンセイ ニクゲシュショウ(EGPA)ニ ガッペイ シタ ガス エソ

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抄録

<p>74 歳,男性。初診 9 年前に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)と喘息と診断され,近医神経内科でステロイド内服治療を長期間行っていた。半年前からステロイド内服を自己中断して,その後全身療法はベンラリズマブ(ヒト化抗 IL-5 受容体 α モノクローナル抗体製剤)単剤投与へと変更された。喘息の症状はコントロールされていたが,下肢の神経障害が増悪し感覚鈍麻を生じていた。初診 1 週間前より 38℃台の発熱と両下腿に紫斑が出現し EGPA の増悪が疑われ,当院内科を紹介され当科も受診した。初診時,左足底に壊死組織を伴う潰瘍があり可及的にデブリードマンを行った。EGPA に対しプレドニゾロン 55 mg/day の内服が開始された。翌日に左足底の潰瘍周囲に握雪感を伴う発赤・腫脹と血疱が出現し,単純 CT でガス像を認め,ガス壊疽と診断した。同日緊急デブリードマン手術および抗菌薬治療を開始し,潰瘍は上皮化した。同入院中に EGPA による高度神経障害に対し γ グロブリン大量静注療法およびステロイドパルス療法を施行されたが,神経障害は残存した。高度な下肢神経障害を合併している患者は,足の傷に気づかず治療が遅れることが多々ある。神経障害を伴う EGPA では免疫抑制状態の患者も多いため,糖尿病患者と同様に重症感染症を予防するためにフットケア指導を行うべきと思われる。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (5), 447-451, 2022-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (2)*注記

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