野球のスイング動作を慣性センサで評価する試み

DOI
  • 河村 卓
    大分大学理工学部創生工学科機械コース設計工学研究室

抄録

<p><背景と目的>スポーツにおいて正しいフォームを獲得することは,スポーツ傷害を予防するうえで重要である.しかるに,初心者が正しいフォームを獲得できるかどうかは指導者の技術により,本人が自身のフォームを定量的に捉えることは難しい.本研究では,初心者やアマチュアでも手軽に利用できる慣性センサが,野球のスイング動作を正しく獲得する助けになりうるか検討した.<対象と方法>被験者は年齢21~24歳の健常男性であり,野球の経験者5名と未経験者10名とした.被験者は,3軸の加速度と角速度を測定できる慣性センサを,右打ちなら左腕,左打ちなら右腕の上腕,前腕,手背,腰部の4か所に設置された.そのうえで,被験者はバットを5回素振りした.そして,測定された加速度・角速度の特徴量,具体的には最大値・最小値やそれを取るタイミングについて,経験者と未経験者に差があるか調べた.さらに,スイング中のセンサの軌跡を算出し,スイングの評価に利用できるか検討した.<結果>経験者の未経験者に対する特徴として,スイング時間が短いこと,腰部の角速度が大きいことが指摘できたほか,手部において経験者では背屈向き,未経験者では掌屈向きの角速度が大きい特徴があった.センサの軌跡については,推定の誤差と考えられるばらつきが大きく,現時点では検討できなかった.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 163_2-163_2, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575751452527360
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.163_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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