脈波を利用した認証における情報漏洩となりすましに対する安全性評価

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抄録

<p>本研究は,光電容積脈波 (脈波) を生体認証に利用することを想定し,脆弱性となり得る認証情報の漏洩を調査し,攻撃対策を備えた認証方式を検討する.脈波は,血管容積変化を光学的に計測することで得られ,装着型デバイスによる,動脈血酸素飽和度などの生体情報計測に活用されている.脈波の波形の個人差を利用した生体認証 (脈波認証) が検討されており,対象者に負担の少ない無意識的認証の実現や,生体情報計測との連携が期待される.しかし,脈波は身体上の様々な部位で計測でき,同一人物の別部位で計測される波形間に類似性がある.我々は現在まで,正規の計測部位以外で不正に脈波が計測されることで,認証に必要な情報が漏洩し,なりすまし攻撃に利用される可能性を示した.今回は,攻撃対策を備えた認証方式の構築を目的として,脈波認証の安全性評価を行った結果を報告する.実験において,被験者の身体上の複数部位で脈波を同時に計測した.続いて,各脈波から抽出する特徴量の比較や相関調査により,脈波認証に必要な情報の漏洩有無を評価した.さらに,各特徴量および既存の脈波認証方式を利用して,脈波認証および情報漏洩を利用したなりすまし攻撃における各特徴量の寄与を評価した.以上の評価により,脈波認証の精度向上に有効,かつ脈波認証に対する攻撃の実現可能性を低減可能な特徴量を明らかにし,情報漏洩および攻撃への対策を備えた認証方式を検討した.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 171_1-171_1, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575751452562944
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.171_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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