当院で周産期管理を行った胎児先天性消化管閉鎖 52 症例の臨床的検討

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  • Perinatal management of congenital gastrointestinal atresia: A single center, retrospective study with 52 patients

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抄録

<p> 当院で過去28年間に周産期管理を行った52症例の胎児先天性消化管閉鎖症症例について,食道,十二指腸,小腸閉鎖の3群に分け,臨床背景と成績について後方視的に比較検討を行った.羊水過多の割合は小腸閉鎖で有意に低かったが,切迫早産率,早産率に差はなかった.周産期死亡率は食道閉鎖が最も高く予後不良であった.一方,小腸閉鎖は染色体疾患の合併が1例もなく予後良好であった.出生前診断率は全体の77%であり,超音波検査での羊水過多,胃胞消失や腸管拡張像,胎児MRI検査が診断に寄与していた.食道閉鎖の病型によっては出生前診断が困難な症例があるものの,超音波検査と胎児MRI検査は先天性消化管閉鎖症の出生前診断に有用であった.先天性消化管閉鎖症は閉塞部位により周産期および新生児予後が異なるため,出生前診断に基づく適切な情報提供と妊娠管理を行い,出生後の新生児治療に円滑に結びつけることは産科医の重要な役割である.</p>

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