肘関節に発生した樹枝状脂肪腫の1例

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  • Lipoma Arborescens of the Elbow: A Case Report

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抄録

【背景】稀と考えられる肘関節に発生した樹枝状脂肪腫の1例を経験したので報告する.<BR>【症例】77歳男性. 5か月前から誘引なく持続する右肘痛にて近医を受診した.肘周囲の腫脹と伸展-30度,屈曲110度の可動域制限を認めた.血液検査ではRF,抗CCP抗体ともに陰性であった.<BR>X線で腕橈・腕尺関節の骨びらんと関節裂隙の消失,CTでは滑車の広範な骨びらんと骨欠損を認めた.MRIでは腕橈・腕尺関節の前後方にT1・T2強調画像でlowとhighの混在する滑膜組織の増生を認めた.滑膜切除術及び人工骨充填を施行し,切除検体は病理組織学的に樹枝状脂肪腫と診断された.<BR>【考察】肘関節発生の樹枝状脂肪腫は極めて稀である.若年で外傷歴のない例にも関節症性変化が出現することから本疾患が変形性関節症を惹起する可能性が指摘されている.滑膜切除が推奨されるが,一期的TEAも選択肢として考慮される.

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