幼児における身体活動量、睡眠時間と疲労症状との関係について

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Abstract

<p>【目的】幼児の身体活動量は体力向上に影響を与えることは多くの先行研究で指摘されている。一方で疲労症状や不定愁訴などとの関連については報告例が少なく、身体活動が体調の維持に影響を与えるかについて明らかにされていない。そこで本研究では身体活動量及び、それに影響すると考えられる睡眠時間と疲労症状についての関連について調査を行った。【方法】愛媛県内の幼稚園に通園する107名(年長児56名、年中児51名)を対象に身体活動量の計測及び疲労症状、生活習慣についての質問紙調査を行った。身体活動量は活動量計を1週間装着し、平日、休日毎に強度別の総活動時間を算出した。質問紙調査は保護者に対し行った。疲労症状については幼児用疲労症状調査を行い、合計点及び下位尺度得点(一般的症状、精神的症状、局所的症状)を算出し、生活習慣に関する項目では起床、就寝時間を回答させ、平日・休日の睡眠時間を算出した。解析は活動量計の装着時間が10時間以上/日である日が平日3日以上、土日1日以上かつ、アンケート項目の回答に未回答、誤記入がない幼児を解析対象とした。比較については重回帰分析を用い、目的変数に幼児用疲労症状調査合計点及び下位尺度、説明変数に各強度の総活動時間及び睡眠時間、統制変数として年齢、性別を投入した。【結果】合計点との相関では平日睡眠時間、休日6Mets以上との間で正の相関が、休日3~5Metsとの間で負の相関が見られた。一般的症状では休日6Mets以上との間で正の相関が、休日3~5Metsとの間で負の相関が見られた。局所的症状では休日6Mets以上との間で正の相関が、平日6Mets以上との間で負の相関が見られた。【考察】以上の結果から幼児における身体活動量と疲労症状との間には関係性がある可能性が示唆される。特に休日に高強度の身体活動を行うことが幼児の疲労症状の予防改善に影響を与える可能性が伺えた。</p>

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