早期診断に苦慮した喉頭結核の1例

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タイトル別名
  • A Case of Laryngeal Tuberculosis in Which Early Diagnosis Was Difficult
  • ソウキ シンダン ニ クリョ シタ コウトウ ケッカク ノ 1レイ

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説明

<p>症例は81歳,男性。嚥下痛を主訴に近医耳鼻科を受診し,喉頭内視鏡検査で喉頭蓋喉頭面の不整粘膜病変を指摘された。初診時,悪性腫瘍を疑い外来で喉頭生検を実施したが,壊死を伴うびらんと慢性炎症所見のみであった。胸部単純X線で左上肺野にすりガラス陰影を認め,結核疾患を疑いインターフェロン(IFN)γ遊離試験T-SPOTを実施したが判定保留であった。全身麻酔下で再度喉頭生検を実施したが,抗酸菌塗抹検査陰性,Ziehl-Neelsen染色陰性,結核polymerase chain reaction(PCR)は検体量不足のため実施できず,確定診断には至らなかった。しかし,退院後の外来経過観察期間中の培養検査3週目に結核菌陽性を認め,約2カ月の期間を経て喉頭結核と確定診断した。結核の診断には種々の検査を組み合わせる必要があり,診断に時間を要することは周囲へ二次感染する危険性が高くなる。検出率に優れたIFN-γ遊離試験も高齢者の免疫低下の影響を受け,感度が低下することが知られている。結核が疑わしい症例に対しては各種検査を一期的・網羅的に実施することが肝要である。</p>

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