腹部手術後の前皮神経絞扼症候群に対して神経ブロック治療が有効であった2症例
書誌事項
- タイトル別名
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- Two cases of anterior cutaneous nerve entrapment syndrome after abdominal surgery were successfully treated by ultrasound-guided block therapy
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抄録
<p>腹痛の原因疾患の一つとして前皮神経絞扼症候群(ACNES)がある.私たちはACNESが腹腔鏡下手術直後に発症した症例と開腹手術後6年経過して発症した症例についてエコーガイド下神経ブロック治療が有効であったことを報告する.2症例ともに血液検査,画像検査で異常はなくCarnett徴候は陽性であった.1例目は胃がんに対して腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行された81歳女性である.術後10日目より左右の腹直筋鞘外縁のドレーン抜去後の縫合部位に圧痛を認め腹壁に力がかかると痛みが増強した.エコーガイド下腹直筋鞘ブロックを3回施行して治癒した.2例目は穿孔性虫垂炎に対して開腹虫垂切除術を施行された53歳男性である.術後6年経過して腹圧がかかると右腹直筋鞘外縁の開腹創部に圧痛が出現し,審査腹腔鏡手術を施行したが痛みを生じるような所見はなくACNESが考えられた.繰り返しエコーガイド下腹直筋鞘ブロックを行い,さらに腹直筋近傍での腹横筋膜面ブロックを併用して治癒した.</p>
収録刊行物
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- 日本ペインクリニック学会誌
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日本ペインクリニック学会誌 29 (12), 245-248, 2022-12-25
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390576037460786304
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- ISSN
- 18841791
- 13404903
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可