日本におけるファーマコメトリクスの現状と課題:アカデミアの立場から

  • 三邉 武彦
    昭和大学医学部薬理学講座臨床薬理学部門/昭和大学統括研究推進センター

説明

<p>ファーマコメトリクス(pharmacometrics)とは、直訳すると【薬】の【計量学】を意味する言葉である。この言葉の意味が経年的に少しずつ変化してきており、統一的な定義はないものの、現在では数理統計学的に解析し、評価し、さらに予測をするというのが産官学での共通の理解であると考える。ファーマコメトリクスは、主に医薬品開発・承認審査における意思決定の場面で活用されてきているものの、日本国内の臨床現場での医療においては、therapeutic drug monitoring(TDM) を活用した個別化医療がその中心である。一部のアカデミアでは、Modeling and Simulationの研究が行われているが、臨床現場との連携が不十分である。TDMを行いづらい小児科領域や特殊疾患領域などでは、今後ファーマコメトリクスが医療に貢献できる可能性は高いと考える。そのためには、本分野の人材育成や企業との交流が必要であり、数理モデルを理解している側も医療現場でのニーズを探る必要がある。本シンポジウムでは、特に日本におけるファーマコメトリクスの現状を踏まえ、課題解決に向けた期待について、アカデミアの立場からお話しさせていただく。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576037462761728
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.43.0_1-c-s01-4
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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