広島大学附属福山中高と連携したTRの取り組み

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抄録

<p>【目的】1949年、広島大学は廣嶋高等師範學校を含む官立7校を包括して設立された。令和3年度国立大学附属学園高の実態調査によると、附属中学校・高等学校の生徒総数は、それぞれ1231・1206名であり、医学部を設置する国立大学として本邦トップクラスである。中でも、広島大学附属福山中・高等学校は文部科学省指定事業であるワールドワイドラーニングコンソーシアム構築支援事業のカリキュラム開発拠点校を務め、先進的な取り組みを継続している。そこで、発表者らは、新しいTRの取り組みとして、「広島大学と広大附属福山の生徒がともに未来の医療を創るプロジェクト」を企画し、高校生による医療機器のニーズステートメント作成を試みた。【方法】2022年6月15日、(1)医療機器開発に関する講義、6月16日、(2)オンライン医療現場(医療法人辰川会)観察,医療関係者とのディスカッション、7月7日、(3)医療機器開発企業(株式会社ジェイ・エム・エス)による講演を実施したのち、参加者へ医療機器のニーズステートメント作成を依頼した。7月14日、(4)ニーズステートメント発表会を作成した。【結果・考察】(1)には30名、(2)には26名、(3)には20名参加した。24名がニーズステートメントを作成し、(4)には21名参加した。2回以上出席でニーズステートメント作成、3回以上出席した生徒へ参加証を発行した。参加証を発行した生徒の学年の内訳は、1年生13名、2年生7名、3年生6名であり、男女の内訳は男性4名、女性が22名であった。ニーズステートメントに関しては4名の評価者が5段階評価し、24名の平均値は4.15±0.76であり、総じて高い評価ではあったものの、3点台が7件あり、ニーズステートメントが容易な課題とは言い難いことが示唆された。【結論】「広島大学と広大附属福山の生徒がともに未来の医療を創るプロジェクト」を企画し、26名が参加証を取得した。24名の高校生が医療機器のニーズステートメントを作成出来たことから、本プロジェクトを継続することで、未来の医療ニーズ探索が可能となることが示唆された。【謝辞】ご協力頂いた、広島大学附属福山中高のスタッフ、医療法人辰川会、(株)JMS、五洋医療器(株)へ、この場を借りて厚く御礼申し上げます。</p>

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