意識障害の原因として粘液水腫性昏睡が疑われた1例

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  • A case of disturbance of consciousness due to myxedema coma

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抄録

<p>85歳の女性。自宅にて全裸で倒れているのを訪問した親族が発見し, 意識障害のため救急要請した。来院時膀胱温28.0℃の低体温と高度の脱水を示唆する所見があり, ブランケットによる復温と補液を行った。ICUでモニター管理下での復温と補液を継続し, 第2病日に腋窩温36℃台となり, 第4病日に脱水も補正されたと思われたが傾眠傾向が継続した。入院時の血液検査で甲状腺機能低下があり, 意識障害, 低体温と併せて, 粘液水腫性昏睡の診断基準を満たしたことからレボチロキシンナトリウム水和物の内服を開始し, 投与開始以降は意識清明となった。血清TSH値の低下があり, レボチロキシンナトリウム水和物は維持量で継続し, リハビリテーション目的に転院した。粘液水腫性昏睡は意識障害の原因疾患の一つにあげられる甲状腺機能障害であり, まれな疾患ではあるが死亡率が高く, 早期診断と治療が重要であると考えられた。</p>

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