歯間乳頭の大きさを考慮して歯肉退縮にトンネル形成術で対応した1症例

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タイトル別名
  • A Case of Selecting the Tunnel Technique for Gingival Recession Considering the Interdental Papilla Dimension

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抄録

<p>歯肉退縮に対する根面被覆術には様々な方法があり,現在ゴールドスタンダードである結合組織移植術(connective tissue graft:CTG)にも様々な受容床形成法が存在する。そして歯肉退縮の分類にどの術式を選択し良好な予後を収めるかは術前の診断が重要になってくる。本症例報告患者は24歳女性で,下顎中切歯2歯の歯肉退縮に続く歯の喪失について不安になり来院した。31,41部ともMaynardの分類Type4であり,歯肉退縮はMillerの歯肉退縮の分類ClassIIIおよびCairoの分類Recession Type(RT)2であった。術前コーンビームCT(CBCT)にて31,41間唇側に軽度の骨吸収がみられたが,舌側には骨吸収は認められなかった。また41根が遠心に傾いていたため,歯槽骨頂付近の歯根間距離が41,42間は狭く,31,41間は広かった。CTGを行う際,露出根面上には血液供給がなく,周囲組織の血液供給を確保できるかが重要になってくる。その血液供給には歯間乳頭が重要な役割を果たす。今回Millerの分類ClassIIIおよびCairoの分類RT2の下顎中切歯2歯に及ぶ歯肉退縮に対し,CBCTにより歯槽骨状態の把握および歯根間距離の計測を行うことで歯間乳頭の大きさを考慮し,CTGの術式として歯間乳頭への切開を行わないトンネル形成術を選択し良好な結果を得られたので報告する。</p>

収録刊行物

  • 日本歯周病学会会誌

    日本歯周病学会会誌 64 (4), 182-191, 2022-12-28

    特定非営利活動法人 日本歯周病学会

参考文献 (25)*注記

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