書誌事項
- タイトル別名
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- Intraductal carcinoma of the parotid gland
- ―A case report―
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説明
<p>背景:導管内癌は予後の良いまれな唾液腺腫瘍であり細胞像の報告例は少ない.</p><p>症例:70 歳代,男性.10 数年前より左耳下部に小さなふくらみを自覚し,1 年ほど前より腫瘤の増大傾向がみられた.MRI では左耳下腺に 50 mm 大の多房囊胞性腫瘤が認められたため,穿刺吸引細胞診が施行された.細胞診標本では,リンパ球,好中球,ヘモジデリンを貪食したマクロファージを背景に,軽度の重積性を示す腫瘍細胞からなる上皮性集塊がみられた.腫瘍細胞の核は比較的小型で異型に乏しく,クロマチンは細顆粒状で小型核小体が 1~2 個認められた.細胞質はライトグリーン好性~空胞状で,一部の腫瘍細胞は分泌物をいれた細胞質内小腺腔や黄褐色調顆粒を有していた.細胞所見から低悪性度の腫瘍性病変が疑われたため,判定は唾液腺細胞診ミラノシステムにおける「悪性の疑い,低悪性」とし,鑑別には分泌癌や囊胞腺癌を挙げた.</p><p>結論:導管内癌は細胞像では正確な組織型の推定は困難であるが,予後良好な経過を示すことから,術前に低悪性度腫瘍と判定することが重要である.</p>
収録刊行物
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- 日本臨床細胞学会雑誌
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日本臨床細胞学会雑誌 61 (6), 431-437, 2022
公益社団法人 日本臨床細胞学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390576059521238656
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- ISSN
- 18827233
- 03871193
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- KAKEN
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可