イエスの接触
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- 上村 静
- 尚絅学院大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Jesus's Touch
- Tzaraath/Leprosy, Holiness, and Impurity
- ツァラアト/レプラ、聖性と穢れ
抄録
<p>福音書のイエスはしばしば病人と接触しており、その中には当時のユダヤ社会において「穢れ」とされたツァラアト/レプラの人も含まれていた。本稿では、彼らとの接触を切り口に、イエスが「穢れ」と「聖性」についてどのような態度をとったのかを考察する。</p><p>ヘブライ語聖書において、「聖性」は神の属性であり、それゆえユダヤ人は「聖なる民族」として「穢れ」を避け、「浄い」状態で生きることが求められた。ツァラアトの人は「穢れたもの」の象徴とされ、その病は神罰と解されていた。イエスは「穢れ」の問題を無視してツァラアト/レプラの人と接触した。イエスにとって神は「いのちを生かすはたらき」なのであり、律法規定が「いのちを殺すこと」になるならば、「穢れ」も「聖性」も無視すべき観念なのである。</p>
収録刊行物
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- 宗教研究
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宗教研究 96 (2), 29-53, 2022-09-30
日本宗教学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390576070533917696
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- ISSN
- 21883858
- 03873293
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可