クローン病を悪化させる因子:腸内細菌が作りだすリゾホスファチジルセリン

DOI
  • 飯島 英樹
    大阪警察病院消化器内科 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
  • 香山 尚子
    大阪大学高等共創研究院
  • 竹田 潔
    大阪大学大学院医学系研究科免疫制御学

抄録

炎症性腸疾患(IBD)の1病型であるクローン病患者の血漿および糞便において、リゾホスファチジルセリン(LysoPS)の濃度が健常者と比較して有意に高く、LysoPS産生がホスホリパーゼAを高発現する腸内細菌により促進されることが明らかになった。IBDモデルマウスに対してLysoPSを投与すると腸炎の増悪とともにIFN-γを高産生するTh1型T細胞の誘導を認め、LysoPSレセプター欠損マウスでは腸炎は抑制された。LysoPSは細胞内代謝を亢進させることにより、Th1細胞を誘導するメカニズムも明らかとなり、LysoPSがIBDの治療ターゲットとなる可能性が考えられた。

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 59 (1), 19-23, 2023

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576118542372992
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.59.1_19
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ