動機づけ面接と糖尿病
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- 川村 智行
- あべのメディカルクリニック
書誌事項
- タイトル別名
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- The Role of Motivational Interviewing in Clinical Practice of Diabetes
抄録
<p>1型糖尿病は,注射によるインスリン療法が唯一の治療である.近年の1型糖尿病診療は,新しい薬剤や血糖測定のデバイスの進歩が著しい.それでも,インスリン療法に加えて日々の生活の中で最も重要な食生活と運動の管理を生涯継続しなければならない.血糖管理が不十分な場合,糖尿病合併症の発生頻度は非常に高く,生命予後を悪化させる.小児思春期に多く発症する1型糖尿病では,血糖管理が不十分になりやすく,患者指導に難渋することが少なくない.筆者は,そのような患者の対応で困っていたときに動機づけ面接(motivational interviewing:MI)に出会った.MIは,アルコール依存症患者の面談から始まった面接法であり,今ではあらゆる医療面接,教育,司法,矯正などの幅広い分野でその有用性が認知されている.MIでは患者の発言の中の,チェンジトーク(よい発言)に注目し,チェンジトークを引き出して,変化へ向かうチェンジトークへと育てていくことを目的とする.思いやりを含んだ精神をもってクライアントとダンスを踊るように変化の方向へ導いていくのがMIである.筆者は,MIを学ぶことで患者のよい変化を多く経験するようになった.現在ではMIのトレーナーとしてMIの普及活動を行っている.</p>
収録刊行物
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- 心身医学
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心身医学 63 (1), 39-45, 2023
一般社団法人 日本心身医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390576118542460800
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- ISSN
- 21895996
- 03850307
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可