<i>N</i>-ヘテロ環状カルベン–パラジウム錯体およびその固定化触媒の開発

  • 水﨑 智照
    エヌ · イーケムキャット(株)研究開発センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of <i>N</i>-Heterocyclic Carbene (NHC)–palladium Complex Catalyst and Immobilized NHC–palladium Complex Catalyst
  • Development of N-Heterocyclic Carbene (NHC)-palladium Complex Catalyst and Immobilized NHC-palladium Complex Catalyst

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抄録

<p>従来のN-ヘテロ環状カルベン(NHC)-金属固定化触媒は,窒素上置換基を担体との固定化部位に利用しており,NHC配位子の特徴である窒素上置換基のかさ高さが十分生かせない点に課題があった。我々は,NHCのバックボーン炭素(4位炭素)に着目し,この部位を担体との結合点とする新たな触媒設計を考案した。まず,代表的なNHC配位子であるIPr(1,3-bis(2,6-diisopropylphenyl)imidazol-2-ylidene)のバックボーン炭素に各種シリル基を導入し,これを配位子としたSi–IPr–Pd錯体触媒を合成した。導入したシリル基の電子特性を調査したところ,電子供与性シリル基の場合,C–Nカップリング反応の触媒活性が向上することを見出した。次に,この知見を展開し,ポリスチレン樹脂にクロロシリル基を有したSi–IPr–Pd錯体触媒を固定化させることで,電子供与性シリル基を担体との結合点とし,かつ窒素上置換基のかさ高さを維持したSi–IPr–Pd錯体固定化触媒の創出に成功した。本固定化触媒はC–Nカップリング反応においてSi–IPr–Pd錯体触媒並みの高活性を発現し,かつ反応後ろ液中における残留Pd量は検出限界以下(<1 ppm)であった。</p>

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参考文献 (16)*注記

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