人工市場を用いた分散投資規制が資産価格急落時の市場に与える影響分析

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タイトル別名
  • A Study on the Market Impact of the Rule for Investment Diversification at the Time of a Market Crash using an Multi-Agent Simulation

抄録

<p>投資信託の取引において,投資家が想定外のリスクを負うのを未然に防ぐため,分散投資規制が設けられた.分散投資規制は,1 つの発行体への投資が過度に集中しないよう,1 つの発行体への投資額を投資信託純資産の一定割合以下にするものである.これまでに,2 資産市場の人工市場において分散投資規制が資産価格急落時の市場に与える影響について検証されており,資産価格が急落したとき全ての資産の保有額が純資産に対して非常に少なくなってしまうことが確認されている.一方,実際の投資信託運用者は,資産価格の変動などによって予め設定している保有額の下限を下回らないよう,保有額の少ない資産を買い増ししたりして純資産に対する全資産保有額を調整している.そこで本研究では,2 資産市場の人工市場にまだ分散投資していない資産(資産 3)を追加し,ある資産の価格が急落したときに分散投資規制が市場にどのような影響を与えるかを,純資産に対する全資産保有額の下限がある場合とない場合に分けて調査した.その結果,資産 1 のファンダメンタル価格が急落し,分散投資規制が導入されている市場において,純資産に対する資産の保有額に下限を設けた場合は,資産 1 と資産 2 の市場価格は下落する一方で,初期状態では分散投資されていなかった資産 3 が購入され,市場価格が上昇することが確認できた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576148375136000
  • DOI
    10.11517/jsaisigtwo.2017.fin-018_03
  • ISSN
    24365556
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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