科学技術政策形成過程における非専門家の役割 コンセンサス会議の試行から

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抄録

<p>本発表は,科学技術政策という高度に専門家に依存した政策分野で,しろうとたる一般市民の果たしうる役割について論じるものである。一般に近時の政策決定は多かれ少なかれ専門家の意見に依存するところが多い。非専門家である市民は政策決定から疎外されるということが問題と言われる。そこで専門家,非専門家たる市民,政策決定の関係について考察する。1998年,関西でコンセンサス会議と称する市民を中心とする会議が行われた(若松,「科学技術への市民参加」研究会)。このコンセンサス会議においては,専門家パネルから市民パネルに説明がなされる過程で,市民パネルの当該科学技術に関する理解は急速に深まる。しかし,その科学技術をどのように社会に受け入れれば良いかということについては,専門家の説明だけでは納得できないことがでてくる。そこで市民パネルは専門家の知識を吸収したうえで,一般市民の文脈から新たな問題点を提起した。このようなコンセンサス会議の結果は,非専門家たる市民が科学技術の民主的な政策決定に関わるうえで,第一歩として問題の可視化をするという意義を有する。これはが科学技術に関する非専門家の関わりの一つの有効な仕方と言うことができる。</p>

収録刊行物

  • 公共政策

    公共政策 2000 (0), 2000-1-024-, 2000

    日本公共政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576282594444160
  • DOI
    10.32202/ppsaj.2000.0_2000-1-024
  • ISSN
    27582345
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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