焼却灰溶出液中の六価クロムの定量における水酸化鉄(III) 共沈時のpHの影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of pH in the Coprecipitation with Iron(III) Hydroxide on the Determination of Chromium(VI) in the Eluate from Incinerated Ash

抄録

<p>水酸化鉄(III) 共沈法による六価クロムの定量について,水酸化鉄(III) 共沈操作における試料のpH変化を明らかにし,六価クロム定量値への影響について検討した.水酸化鉄(III) 共沈操作では,硫酸アンモニウム鉄(III) 溶液の添加及び加熱・放冷によりpHが段階的に低下した.アルカリ剤としてアンモニア水及び水酸化ナトリウム溶液のいずれを用いても,六価クロムの回収率は加熱・放冷後のpHに影響され,pHの上昇とともに回収率が向上し,pH 8.87以上では90% 以上の回収率が得られた.また,一般廃棄物焼却灰溶出液を対象として,pHの影響を検討した結果,pHの上昇とともに定量値が向上した.加熱によるpHの低下を見越して,加熱前に溶液のpHを十分に強アルカリ性とすることが,六価クロムの回収率の向上に重要であると考えられた.焼却灰6試料の溶出液について,水酸化ナトリウム溶液を用いて加熱前のpHを10.00±0.05に調整して添加回収試験を行った結果,回収率は89.6% 以上の良好な結果が得られた.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 71 (12), 679-685, 2022-12-05

    公益社団法人 日本分析化学会

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