Carfilzomibによる薬剤性血栓性微小血管症発症後に減量再投与で奏効した多発髄外形質細胞腫

  • 藤森 千花
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 萩野 剛史
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 長内 聡子
    東京女子医科大学 血液内科
  • 佐野 修平
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 嵯峨 玲奈
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 日台 裕子
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 栗本 美和
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 村井 善郎
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 秋山 秀樹
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科
  • 本村 小百合
    東京都立病院機構 東京都立多摩北部医療センター 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple extramedullary plasmacytomas responding to a reduced dose of carfilzomib following drug-induced thrombotic microangiopathy
  • Carfilzomib ニ ヨル ヤクザイセイ ケッセンセイ ビショウ ケッカンショウ ハッショウ ゴ ニ ゲンリョウ サイトウヨ デ ソウコウ シタ タハツズイガイケイシツ サイボウ シュ

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抄録

<p>79歳,男性。2015年に形質細胞性白血病に対してbortezomibやlenalidomideを含むレジメンを使用しvery good partial response(VGPR)に至ったが,感染合併し経過観察となった。3年後に多発髄外形質細胞腫として再発した。KLd(carfilzomib, lenalidomide, dexamethasone)療法を開始し腫瘤の著明な縮小を認めたが,薬剤性血栓性微小血管症(TMA)を発症し治療中断した。その後,休薬のみでTMAは改善したためKLdの減量再投与をしたが,TMAの再燃はなかった。減量KLd療法3コース施行後にVGPRに到達し,10コースまで悪化なく継続している。Carfilzomib治療は再発,難治例にも有用と考えられる。薬剤誘発性TMAは,免疫介在性または用量依存性の毒性機序によって引き起こされることが報告されている。またcarfilzomibによるTMAの発症機序は用量依存性も指摘されており,発症時にも減量再投与を考慮しうる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 63 (12), 1626-1632, 2022

    一般社団法人 日本血液学会

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