<i>Mycobacterium avium</i> complex検出のためのデジタルPCR検査の有用性

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タイトル別名
  • Usefulness of digital PCR method for detecting pulmonary <i>Mycobacterium avium</i> complex
  • Mycobacterium avium complex検出のためのデジタルPCR検査の有用性
  • Mycobacterium avium complex ケンシュツ ノ タメ ノ デジタル PCR ケンサ ノ ユウヨウセイ

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抄録

<p>【目的】デジタルPCR(digital PCR; dPCR)は,微細なウェルにサンプルを分配してPCRを行い遺伝子の絶対数を定量する方法である。これまでdPCRを用いた結核菌の検出に関する報告は散見されるものの,Mycobacterium avium complex(MAC)を対象とした報告はない。今回我々は,dPCR法を用いたMAC検出について培養法およびTRC法と比較し,本法の有用性を検証した。【対象・方法】2019年3月から2021年2月までに肺抗酸菌症を疑い気管支鏡検査を行った135名(平均年齢 ± SD:69.8 ± 10.1歳,男性29名/女性106名)を対象とした。気管支洗浄液を用いdPCR法,培養法,TRC法を実施し,dPCR法と培養法あるいはTRC法との一致率,さらにdPCR法と塗抹ガフキー号数との相関を調べた。【結果】dPCR法と培養法の一致率は93%(感度100%,特異度87%),dPCR法とTRC法との一致率は96%(感度97%,特異度96%)であった。dPCR陽性ウェル数は塗抹ガフキー0号,1号,2号,3号の各群で有意に正の相関がみられた。【結論】MACの遺伝子検査法としてdPCR法は高感度であり,TRC法と同等の検出能を有していることが確認された。dPCR法は,肺MAC症の診断に有用である。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 72 (1), 61-67, 2023-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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