日本語と韓国・朝鮮語における形態構造とアクセントの関係

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タイトル別名
  • Pitch Accent and Morphology in Japanese and Korean Dialects : Toward a Typology

抄録

日本語と韓国・朝鮮語は共に高低アクセント方言が存在し,その中には類型論的に見てよく似たアクセント体系がある。しかし,両言語の諸方言における形態構造とアクセントの関係の類似点と相違点についてはまだ詳細に解明されていない。本稿では,その解明の第一歩として,日本語の東京方言,京阪方言,韓国・朝鮮語の慶尚道方言,咸鏡道方言を取り上げ,複合語と接辞・助動詞・助詞などの付属形式のアクセント上のふるまいを中心に形態構造とアクセントの関係を比較し,それぞれのアクセント体系に見られる共通点と相違点について考察する。主な相違点として,次の点が挙げられる。まず,韓国・朝鮮語の方言に比べて,日本語の方言においてアクセント・トーンに関わる形態音韻過程の種類が多い。また,これに関連して,韓国・朝鮮語の二方言ではアクセント型の決定において句と語の区別がほとんどされていないのに対し,日本語の二方言では句と語の区別がはっきりとされており,形態構造や接辞の種類等によって様々な過程が見られる。この相違点を説明するにあたり,類型・機能論的観点の議論を進める。

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