足潰瘍患者におけるCONUT値と潰瘍治癒の関連性

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タイトル別名
  • Relationship between CONUT Score and Foot Ulcer Healing
  • アシ カイヨウ カンジャ ニ オケル CONUTチ ト カイヨウ チユ ノ カンレンセイ

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抄録

<p> 背景: 足潰瘍の創治癒には, 創の重症度, 下肢血流, 感染の程度, 基礎疾患の有無などさまざまな要因が関連する. 栄養状態が不良な患者も多く, 創治癒に影響を及ぼすと考えられる. 栄養評価ツールであるcontrolling nutritional status (以下, CONUT) と足潰瘍治癒の関連性を検討した. <br> 方法: 単施設, 後ろ向き研究である. 2010年4月から2021年4月までに, 慢性下肢潰瘍を有し, 小切断術を施行した患者136名, 手術肢186肢を対象とした. 術前の血液検査値からCONUT値を判定した. 潰瘍治癒群と非治癒群に分けて統計学的に検討した. <br> 結果: 治癒群146肢, 非治癒群40肢であり, CONUT値の平均値はそれぞれ4.50±2.63,5.78±2.47であり, 統計学的有意差を認めた (p=0.008). CONUT値と創治癒の関係をROC曲線を用いて解析したところ, カットオフ値は5となった. ロジスティック回帰分析による多変量解析を行ったところ, 人工透析 (p=0.026), CONUT≧5 (p=0.038) で創治癒に影響を及ぼす因子として有意差を認めた. <br> 結語: 足潰瘍患者において, CONUT値が5以上の中等度, 高度栄養不良症例で有意に治癒率が低下した. CONUTは安価で簡便に得られ, 足潰瘍治療において予後予測に有用な評価項目になり得ると考えられた. </p>

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