単一粒子測定による高感度生体分子計測を実現する粒子表面の機能化
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- MORIIWA Yukiko
- 東京薬科大学
Abstract
アナライトまたはアナライトにより生成されたマーカー分子を単一粒子に凝集させるアプローチへの関心が高まっている(図1).単一粒子を対象として,粒子表面の局所空間に濃縮されたアナライトやマーカー分子を検出することで,計測技術の高感度化が実現できるだけでなく,試料に含まれる夾雑成分の影響を受けにくくなり,S/N比と測定感度の向上が期待できる.粒子がナノサイズであればアナライトのサイズに匹敵するため,アナライトと粒子との間で立体障害が生じず,反応効率も高まる.単一粒子測定(single particle detection: SPD)は従来の計測技術を革新できるものと期待されるが,それにはアナライトやマーカー分子を分子認識させ,その情報を検出可能なシグナルに変換させる機能を粒子に付与することが課題となる.<br>Chung-Yanらは,金ナノ粒子と銀ナノ粒子の2種類のナノ粒子が隣接すると局在表面プラズモン共鳴が増強する現象を利用して,前処理なしで生体試料中における腫瘍マーカーを検出することに成功している.またHuaらは,金ナノ粒子のコアに酸化マンガンを被覆させたコアシェルナノ粒子とラマン測定を用いて,生体中のアルカリフォスファターゼを測定した.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Chung-Yan P. et al., Anal. Chem., 88, 8849–8856(2016).<br>2) Hua L. et al., Nanoscale, 12, 10390–10398(2020).<br>3) Yawen L. et al., Spectrochim. Acta Pt A: Mol. Biomol. Spectrosc., 276, 121219(2022).
Journal
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- Farumashia
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Farumashia 59 (2), 151-151, 2023
The Pharmaceutical Society of Japan
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390576435496066688
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
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- Abstract License Flag
- Disallowed