PCP/MOFの構造評価,構造変化の解析,実用化への取り組み

書誌事項

タイトル別名
  • Structural Evaluation, Structural Change Analysis and Industrial Application of PCP/MOF
  • PCP/MOF ノ コウゾウ ヒョウカ,コウゾウ ヘンカ ノ カイセキ,ジツヨウカ エ ノ トリクミ

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説明

多孔性金属錯体(Porous Coordination Polymer:PCP,あるいはMetal-Organic Framework:MOF)は多様な構造を構築可能な結晶性の多孔性材料である。骨格構造に加え化学的・物理的性質の設計性が高いことから,ガス吸着・分離に限らず,触媒や磁性,イオン・プロトン伝導など様々な分野への応用的な研究が進められている。一部のPCP/MOFは構造柔軟性を示し,これまでの多孔性材料とは異なる特殊な吸着特性を発現する。PCP/MOF特有の性質を生かした実用化が検討され始めており,産業応用への発展が期待されている。PCP/MOFはゼオライトと同様にX線による構造評価は非常に重要であるが,構造変化に伴い単結晶性が消失することもあり,分子シミュレーションとリートベルト解析の組み合わせによる非単結晶性サンプルの構造決定手法も開発されている。X線構造解析以外にも骨格構造とゲスト分子の局所的な構造解析や相互作用評価のために,赤外・ラマン分光,NMRやEPR測定による分析も行われる。また近年はPCP/MOFの構造変化と特殊な吸着挙動を解析するために,ガス吸着とX線,あるいはラマンなどその他の測定との同時測定等の新たな測定・解析手法の開発が進んでいる。

収録刊行物

  • ゼオライト

    ゼオライト 40 (1), 9-18, 2023-01-31

    一般社団法人日本ゼオライト学会

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