ゼオライト細孔内で観測されたAg(I)–Xe化合物形成を駆動力とする室温低圧下におけるXe選択捕集

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タイトル別名
  • Selective Collection of Xe under Low Pressure at Room Temperature Driven by the Formation of Ag(I)–Xe Compound Observed in MFI Zeolite Pores

抄録

閉殻電子配置を有する貴ガス元素は化学的に安定である。そのため,貴ガスの捕集や精製は非常に困難である。ここでは,これら応用に向けた新しいコンセプトとして“orbital trap of Xe”を提案する。この概念はMFIゼオライト細孔内のAg(I)サイトが室温で引き起こすXe吸着/分離過程で見出された。ゼオライト格子酸素に配位されたAg(I)イオンは優れた電子受容性をもち,それがXe-5p→Ag(I)-5s電子供与相互作用を誘発し,室温低圧下でもXeと安定なσ結合を形成することが実験と計算で示された。一方,Krの場合,Kr-4p軌道のエネルギーが比較的高いため,Kr-4p→Ag(I)-5sの電子供与相互作用が不安定となり,常温では安定な結合が形成されない。従って,XeとKrを識別する駆動力がAg(I)-MFI細孔内で生じる。実条件を模擬したXe/Kr混合ガスからのXe分離はAg(I)サイトを高濃度に含むAg(I)-MFIを用いて確かに達成され,“orbital trap of Xe”がXeを選択捕集に対して有効なアプローチであることが示された。

収録刊行物

  • ゼオライト

    ゼオライト 40 (1), 1-8, 2023-01-31

    一般社団法人日本ゼオライト学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576502651838336
  • DOI
    10.20731/zeoraito.40.1.1
  • ISSN
    09187774
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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