アニメーション産業史研究はいかにして/何が可能か:方法論と意義についての学際的考察
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- 木村 智哉
- 開志専門職大学 アニメ・マンガ学部
書誌事項
- タイトル別名
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- How/What is Possible in History Studies of Animation Industry: Interdisciplinary Research About Method and Significance
抄録
<p>現代のアニメーション産業への関心に比べ、その歴史の研究事例は少ない。これは学術研究上のディシプリンや課題の説明が、アカデミアに不足しているからである。本稿ではその解決を試みる。歴史研究を例にとれば、ポピュラー文化に関する記述は、まず通俗的社会批評により始められた。そして次に、社会史によるメディアの政治性の研究が行われた。しかしこれらの研究は、社会批評や社会史の関心を再確認する過程に留まる傾向があった。人文・社会科学一般の方法論に視点を広げれば、産業や企業の役割よりもユーザーの営みに注目することが主流である。だがこうしたアプローチは、文化産業が組み込まれている資本の論理には関心が薄い。アニメーション産業史の研究は、ポピュラー文化と資本の論理の関係についての議論をもたらし、その構造がいかに歴史的に変化したのかの事例研究を導くことで、人文・社会科学の方法論と視点を更新する大きな可能性を持つ。</p>
収録刊行物
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- アニメーション研究
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アニメーション研究 23 (1), 15-27, 2023-01-31
日本アニメーション学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390576579386266624
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- ISSN
- 24351989
- 1347300X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可