橋本病を合併した混合性結合組織病の1例:hypothyroid myopathyの鑑別の重要性

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  • Hypothyroid myopathy in a patient with MCTD with Hashimoto’s disease.

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抄録

<p>高クレアチンキナーゼ(CK)血症の原因は多岐にわたり,リウマチ性疾患のほか甲状腺機能低下症もその原因となる.今回われわれは,混合性結合組織病(MCTD)と橋本病(HD)を合併し,それぞれの増悪に伴い高CK血症をきたした症例を経験したため,報告する.7歳時にレイノー現象が出現し,9歳時に発熱,腹痛,炎症性斜頸,甲状腺機能低下症を認め,HDを合併したMCTDと診断された.ステロイドパルス療法で寛解に至り,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)を併用された.レボチロキシン(LT)も開始されたが,甲状腺機能が正常化した4か月後に中止した.10歳時に腹痛,嘔吐,高CK血症を呈しMCTDの増悪が疑われたが,甲状腺機能低下も認めLTを再開し改善した.12歳時に再び頸部痛 · 斜頸,高CK血症をきたしたが,甲状腺機能は正常でありMCTDの増悪と考えPSLを増量し改善した.MCTDではHDの合併率が高く,CK上昇を呈した場合にはMCTDの増悪のほか,hypothyroid myopathyにも注意する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 13 (1), 43-47, 2022-12-28

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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