Cutaneous collagenous vasculopathyの1例

  • 村尾 和俊
    徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野
  • 久保 宜明
    徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of cutaneous collagenous vasculopathy
  • Cutaneous collagenous vasculopathy ノ 1レイ

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説明

83歳,女性.数年来高血圧症のためアムロジピンベシル酸塩を服用している.数年前から下腿に皮疹が出ていたが,徐々に拡大し大腿にも及ぶようになり当科を受診した.当科初診時,両足背から下腿,そして大腿の遠位部にかけて,直径2〜3 mmの,細かな毛細血管の拡張する紅色斑がびまん性に多発していた.ダーモスコピーでは分枝状を呈する拡張した血管を多数認めた.病理組織学的には,真皮上層に拡張した血管が見られ,血管壁は均質な好酸性物質の沈着により肥厚し,周囲にはリンパ球を主とした細胞浸潤を認めた.肥厚した血管壁はperiodic acid Schiff染色陽性で,また免疫染色で抗collagen IV抗体に陽性であった.臨床像,病理組織所見から本症例をcutaneous collagenous vasculopathy(CCV)と考えた.CCVは原因不明のまれな,真皮上層における微小血管障害である.これまでに60例ほどの報告しかなく,本邦からの報告は本症例が2例目である.CCVでは皮膚の毛細血管拡張以外に症状は認めない.本症に対する有効な治療法はないが,pulsed-dye laser治療の奏功例が報告されている.

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参考文献 (11)*注記

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