生体肝移植ドナーの術前適応評価と術後管理の再考

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抄録

<p>【目的】生体肝移植(LDLT)ドナー候補者は健康であることが大前提であるが、時に疾患を併存しドナー適否の判断を迫られる。ドナー術前に認められた疾患から、適応と管理について再考した。【対象と方法】当科で担当したLDLTドナー357例のうち、LDLTドナーが有した疾患と術後管理について検討した。【結果】脂肪肝(67例)以外で、有疾患ドナーは99例(27%)で、年齢中央値33(23-57)歳、男性37例、女性62例。レシピエントとの関係:母59例、父32例、その他8例。グラフトタイプは外側区域64例(減量5例を含む)、左葉16例、尾状葉付き左葉7例、単区域(S2)7例、右葉4例、後区域1例。有疾患ドナー99例中にのべ104の疾患を認めた。肝疾患21例:HBc抗体陽性11例、肝血管腫7例、その他3例。肝以外の疾患:プラスミノーゲン異常症疑い21例、閉塞性呼吸障害16例の他、消化器癌術後、妊娠中(予定外で後日判明)、陳旧性脳梗塞、糖尿病治療後など。有疾患ドナーにおいては当該疾患専門科と綿密に協議し、ドナー可であることを確認し、各疾患に応じた術前評価と周術期管理を行った。各疾患に起因する合併症例は短期では起こらなかったものの、長期では有疾患の悪化が認められた症例も見られた。【結語】有疾患LDLTドナーにおいては、術後長期的管理も含めて担当各科と連携して治療することが重要であると再認識された。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s171_2-s171_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576678801660672
  • DOI
    10.11386/jst.57.supplement_s171_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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