当院における膵島移植の実際と適応患者像
抄録
<p> 2020年4月から、膵島移植は保険適用となった。膵島移植の基本的適応は、従来「内因性インスリン分泌能が廃絶した糖尿病患者で、専門的治療によっても血糖変動の不安定性が大きく、重症低血糖のため良好な血糖管理を達成できない症例」とされ、今日に至っている。我々は、「エドモントン・プロトコール」に準じて2004年から2007年にかけて施行された膵島移植について、通常治療の1型糖尿病患者を対照とした移植後患者の10年間にわたる経過観察から、膵島移植の効果と安全性を示した(J Diabetes Investig. 2020, 11(2):363-372.)。</p><p> 一方で、1型糖尿病に対応する先進医療機器の進歩は著しく、血糖管理と治療の改善が期待されている。近年、汎用されるようになった持続グルコースモニタリング機器は、膵島移植の治療効果を検討するために有用である(J Diabetes Investig. 2020, 11(6):1677-1680.)と同時に移植適応判定に必要な基礎データとして利用されている。</p><p> 主に先進医療の枠組みにおいて、2013年以降、京都大学医学部附属病院においては、6名の1型糖尿病患者に14回の膵島移植が行われている。当院での移植症例の経過を振り返るとともに、保険適用後の移植適応患者像を考察する。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 57 (Supplement), s221_2-s221_2, 2022
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390576678801697792
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可