当院における膵島移植の実際と適応患者像

DOI
  • 藤倉 純二
    京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科
  • 穴澤 貴行
    京都大学医学部附属病院 肝胆膵・移植外科
  • 松山 陽子
    京都大学医学部附属病院 看護部
  • 井山 なおみ
    京都大学医学部附属病院 看護部
  • 境内 大和
    京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科
  • 中村 聡宏
    京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科
  • 伊藤 遼
    京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科
  • 波多野 悦朗
    京都大学医学部附属病院 肝胆膵・移植外科
  • 稲垣 暢也
    京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科

抄録

<p> 2020年4月から、膵島移植は保険適用となった。膵島移植の基本的適応は、従来「内因性インスリン分泌能が廃絶した糖尿病患者で、専門的治療によっても血糖変動の不安定性が大きく、重症低血糖のため良好な血糖管理を達成できない症例」とされ、今日に至っている。我々は、「エドモントン・プロトコール」に準じて2004年から2007年にかけて施行された膵島移植について、通常治療の1型糖尿病患者を対照とした移植後患者の10年間にわたる経過観察から、膵島移植の効果と安全性を示した(J Diabetes Investig. 2020, 11(2):363-372.)。</p><p> 一方で、1型糖尿病に対応する先進医療機器の進歩は著しく、血糖管理と治療の改善が期待されている。近年、汎用されるようになった持続グルコースモニタリング機器は、膵島移植の治療効果を検討するために有用である(J Diabetes Investig. 2020, 11(6):1677-1680.)と同時に移植適応判定に必要な基礎データとして利用されている。</p><p> 主に先進医療の枠組みにおいて、2013年以降、京都大学医学部附属病院においては、6名の1型糖尿病患者に14回の膵島移植が行われている。当院での移植症例の経過を振り返るとともに、保険適用後の移植適応患者像を考察する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s221_2-s221_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576678801697792
  • DOI
    10.11386/jst.57.supplement_s221_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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