秋田大学における腎移植後貧血に対するHIF-PH阻害薬の初期使用経験

DOI
  • 山本 竜平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 齋藤 満
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 青山 有
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 藤山 信弘
    秋田大学医学部附属病院 腎疾患先端医療センター
  • 提箸 隆一郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 小林 瑞貴
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 嘉島 相輝
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 奈良 健平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 沼倉 一幸
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 成田 伸太郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 羽渕 友則
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座

抄録

<p>【目的】腎移植後貧血(PTA)に対する治療は長年エリスロポエチン製剤 (ESA)が主体であったが、ESA抵抗性貧血を呈する症例も存在する。近年、ESA抵抗性PTAに対するHypoxia Inducible Factor-Prolyl Hydroxylase (HIF-PH)阻害薬の有効性が報告されている。当院ではHIF-PH阻害薬の適応をESA高用量でも貧血が改善しない症例、および受診間隔延長によりESAの効果が乏しい症例としている。今回、当院でHIF-PH阻害薬を使用した20例について検討をおこなった。</p><p>【対象と方法】腎移植後に当院でHIF-PH阻害薬投与歴のある20例を対象とし、HIF-PH阻害薬投与投与開始後前の背景や投与開始後の臨床因子を後方視的に検討した。</p><p>【結果】年齢平均値50歳、男性8例、女性12例、移植後平均年数は6.9年、19例がESAからの切り替えであった。開始後1、3、6ヶ月時点で投与継続中の症例はそれぞれ18、10、6例であり、有害事象で投与中止となった症例は2例でいずれも消化器症状であった。また1例は悪性腫瘍の発症により中止となった。HIF-PH阻害薬開始前の平均ヘモグロビン(Hb)値9.4 g/dL、平均血清Fe値96μg/dL、平均TSAT38.6%、平均フェリチン値203ng/ml であった。1、3、6ヶ月継続症例の平均Hbはそれぞれ9.6、10.6、10.8 g/dLであり、3、6ヶ月継続時点で有意な増加を認めた(p<0.05)。平均血清鉄値に有意な変化はみられなかったが、TSATは1、3、6ヶ月継続群すべてで上昇を認め、フェリチン値は3、6ヶ月継続群で減少傾向であった。</p><p>【結語】ESA抵抗性PTA症例において、HIF-PH阻害薬の導入により鉄利用能改善さらには貧血の改善が期待できる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s233_2-s233_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576678801710976
  • DOI
    10.11386/jst.57.supplement_s233_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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