C型非代償性肝硬変に対してHLA完全一致ドナーから生体間部分肝移植術施行後, 抗ウイルス療法にてSVRが得られ8年間経過観察中の一例

DOI
  • 神田 達郎
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 石井 大雄
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 本田 真之
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 有間 修平
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 金澤 芯依
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 佐々木 玲奈
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 松本 直樹
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 増崎 亮太
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 小川 眞広
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 山崎 慎太郎
    日本大学医学部附属板橋病院消化器外科
  • 荒牧 修
    日本大学医学部附属板橋病院消化器外科
  • 木暮 宏史
    日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科
  • 岡村 行泰
    日本大学医学部附属板橋病院消化器外科

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抄録

<p>【症例】50歳代, 男性. 【現病歴】8年前, C型非代償性肝硬変に対して一卵性双生児の兄から生体間部分肝移植を施行した. 手術当日含めて7日間免疫抑制剤としてステロイドを使用した. 以後免疫抑制剤を使用していない. 手術1.5月後, HCVグラフト肝再感染 (AST 72 IU/L, ALT 57 IU/L, HCV GT1b, HCV RNA 7.5 LIU/mL)に対し, シメプレビルを含むペグインターフェロン, リバビリン3剤併用療法を施行するも再燃, HCV NS3 Q80L, R155T, D168E耐性変異を認めた. 手術2年後, ソホスブビル, レジパソビル併用療法を施行し, SVRを得た. HBV既往感染を認めたが, HBV再活性化は見られていない. 現在術後約8年経過するが, AST 19 IU/L, ALT 16 IU/L, G-GTP 43 IU/L, PLT 27.6 万, HCV RNA 陰性, HBV DNA 陰性, 腹部超音波検査では肝SOLを認めず, Shear Wave Elastographyでも5.64 kPaと肝線維化は進行していない. 【考察】HLA完全一致ドナーからの生体間部分肝移植では免疫寛容により, 免疫抑制剤の中止が可能とされる. 本例では術後早期にHCVグラフト肝再感染による肝機能異常を認めたが, SVRが得られた後, 経過は順調である.【結論】HCV陽性者ではHLA完全一致ドナーを用いた生体間部分肝移植術でも術後早期に抗HCV療法を行うことが重要である.</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s315_3-s315_3, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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