生体腎移植におけるインドシアニングリーン(ICG)蛍光イメージングを用いた術中尿管血流の評価

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抄録

<p>【背景】腎移植後尿管狭窄は2-10%程度と言われており、多くは尿管の虚血が原因とされている。ただ通常光での観察では客観的な血流評価が難しく追加切除の判断に悩むことが多い。今回われわれはICGを用いて尿管血流を評価したので報告する。【対象と方法】対象は2021年4月から2022年3月までに腎移植術中にICGで尿管血流を評価した症例。ドナー腎摘はシングルポート経腹膜アプローチによる腹腔鏡下手術で行った。レシピエントは血管吻合が終了し尿管吻合の準備が整った時点で経静脈的にICGを5mg投与し、LightVISION(島津製作所)で血流を評価した。血流不良域を認めた場合、尿管の追加切除を行った。【結果】症例数は10例。ドナーの年齢(中央値)は59.5歳(38-73)、男性5例、女性5例。レシピエントの年齢は53.5歳(29-72)、男性6例、女性4例。通常光では明らかな血流低下を認めなかったが、ICGにて10例中4例(40%)で尿管末梢の血流低下を認め1.0cm(0.3-2.0)の追加切除を行った。全例で術後尿管合併症は認めていない。【結語】術中ICGを用いることで通常光では確認できない尿管末梢の血流低下を確認できた。腎移植手術おいてICGによる尿管の血流評価は移植後尿管合併症の予防に有用と思われた。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s372_1-s372_1, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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