生体腎移植後の早期ARB内服開始に関する安全性・有効性の検討
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<p><背景>腎移植後早期の血圧管理には主にカルシウム拮抗薬が用いられ、早期からアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を使用することに関しての安全性や有効性は定かではない。<方法>2020年5月〜2022年3月に当科で行われた生体腎移植で、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、ステロイドの3剤で免疫抑制導入され、免疫学的低リスクの成人症例で、移植後3ヶ月に腎生検を実施した計78例について検討した。術後早期よりARBを開始した症例をARB群(27例)、それ以外をControl群(51例)とし、さらに逆確率重み付け(IPW)を用いて患者背景を2群間で調整し、3ヶ月後の腎機能および生検結果について比較した。<結果>術後3ヶ月時点での血清クレアチニン、推算糸球体濾過量、高K血症や血圧低下などの有害事象の出現頻度については二群間に有意差は認めなかった。尿蛋白/尿クレアチニン比(Up/Uc)はARB群でContorolに比べ低い傾向にあった(0.12 vs. 0.16 , p=0.176)。また術後3ヶ月目に行った腎生検結果では、ARB群ではIF/TAの出現率は低い傾向にあった(9.3% vs 17.6%, p=0.313)。<結論>低用量からARBを術後早期に始めることは安全であった。</p>
Journal
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- Japanese Journal of Transplantation
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Japanese Journal of Transplantation 57 (Supplement), s378_1-s378_1, 2022
The Japan Society for Transplantation
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390576678801996288
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
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- Abstract License Flag
- Disallowed